【MTG】初心者向けドラフト解説 2
2015年3月11日 MTG今回からドラフト中に考えることを紹介していきます。
まずはカードの選択基準です。前回枚数比やマナカーブを解説しました。次は実際どういったカードからとっていけばいいのかを教授します。
基本的な選択基準は ボム>除去>クリーチャー>その他 です。
ボムというのは機能すれば大抵ゲームに勝てるカード=マストカウンター、言い方を変えれば切り札です。
カードの優先順位を決める基準は、代わりになれるか、です。
ボムは決められれば試合に勝てるカードであり、他のカードでは代えがきかないので最優先。
クリーチャーよりも除去を優先するのは除去がクリーチャーの代わりになれるのに対して逆は難しいからです。
例えば2/2のクリーチャーがいるとして、それには2マナ2/2クリーチャー、2マナ3点火力の《稲妻の一撃》のどちらでも対応できます。
しかしその2/2が飛行を持っていた場合こちらの2マナ2/2では対処できません。しかし《稲妻の一撃》なら対処できます。これが代わりになれるということです。
次にドラフトでは何色のデッキを目指すべきか解説します。
ドラフトにおいては2色のデッキが理想とされています。この理由を今回と次回で説明していきます。
ドラフトでは3つの視点で考えることが必要になります。自分視点、参加者視点、デッキ視点の3つです。
自分視点というのは文字通り自分の視点、参加者視点というのは他の参加者がどう考えているか、あなたのことをどう思っているかという視点、デッキ視点はデッキが何を求めているかという視点です。
早速何故2色が理想なのかを3つの視点で考えてみましょう。
自分視点→最低2色はとらないとカードが足りず強いデッキが組みづらいから。
参加者視点→全てのプレイヤーが3色以上でドラフトを進めるとどうしても隣のプレイヤーと色が被ることになり、結果としてカードの供給が不安定になりデッキが弱くなってしまうから。
デッキ視点→色を増やしすぎると事故が増えるから。
それではこの3つの視点でドラフトを進めていきます。
まずは初手。ここで強力な神話レアを引いたりすると選択肢はそれ1択で解説は必要無いので、ここでは他の2つのケースをみていきます。
■強いカードが何もない
この場合なるべくマシなカードを取ることになります。そもそもドラフトというのは弱いカードプールでどれだけマシなデッキを作れるかのゲームです。
自分視点→一番強いカードをとればいい。
参加者視点→考えても意味が無いので一番強いカードをとればいい。
デッキ視点→まだ何も決まっていないから一番強いカードをとればいい。
このように初手のピックは全ての視点で一番強いカードをとることが正解となっているのがわかります。
■強いカードが3枚あり、1番目と2番目に強いカードが同じ色
自分視点→一番強いカードをとればいい。
参加者視点→一番強いカードをとってしまうと次にこのパックからピックするプレイヤーが同じ色をとってしまい色が被る。そうすると流れが逆になる2巡目に安定したカード供給が見込めない。よって敢えて3番目に強いカードを取るのが正しいように思える。しかし実際同じ色の2枚を流すとして、この理論でいくとその2枚を誰もとれなくなってしまう。しかし現実でそんなことはあり得ない。また先程説明したようにドラフトでは2色以上でデッキを組む人がほとんどなので、隣のプレイヤーと全く色が被らないというのも珍しく、1、3周目に先に自分がピックできる下被りはむしろマシな部類であるといえる。よって、一番強いカードをとればいい。
デッキ視点→まだ何も決まっていないから一番強いカードをとればいい。
こういった複雑なケースでも結局は一番強いカードを取るのが正解になります。
ようは初手はとにかく一番強いカードをとればいいのです。
続いて2手目以降に移っていきます。
2手目以降自分のデッキを何色にするかを決めていくことになります。
自分のやりたい色を好き勝手やった場合色が被ってしまうと残念なデッキになってしまいます。デッキの色を決めるには、各色のカードの流れを注意深く観察することが必要です。
■上流から特定の色が明らかに多く流れてくる
理由として考えられるのは以下の3つ
・上流にその色に参入しているプレイヤーがいない
・参入しているプレイヤーはそれなりにいるがパックからその色のカードがたくさんでている
・参入しているプレイヤーはたくさんいるがそれ以上にその色のカードがたくさんパックからでている
これをどう判断するかには、その後のカードの流れを観察するしかありません。上流に不人気ならその後もその色は溢れますし、参入しているプレイヤーがいるならじきにその色は流れてこなくなります。
このうち上流に不人気であると判断した色を集中的にピックする方法があり、「手を絞る」といいます。
具体的には空いていると判断した色のカードを徹底して抑えます。この際他の色にもっと強いカードがあっても流します。これにより、序盤にある程度まとまった色のカードが手に入り、その後2色目以降を探す際目をつけた色が実は人気だったとしても序盤に集めたまとまった1色目があるのでその2色目を切り捨て容易に他の選択肢を探しにいくことができるようになります。
自分視点→色の統一を優先して強さ順には取らないので、短期的にはマイナス。
参加者視点→不人気色への参入により最終的にデッキの完成度が上がる。
デッキ視点→短期的にはマイナスだが2色目を安心して決めることができるので必要枚数を揃えやすい。
反対に、「手を広げる」やり方もあります。これは絞るのとは逆で序盤は色を無視してカードパワーが高い順にとっていきます。そして手元に多く集まった色=不人気な色をその後追っていくやり方です。
こちらはカードパワーの低いカードを取らなくていい分最終的に使わないカードを序盤にとらされているので、その手数は結局無駄になります。
自分視点→カードパワーの強い順に取り続けられる。
参加者視点→強い順に取ることで色的に最も良い位置に座る可能性を最大化できる。
デッキ視点→成功すれば強いデッキになるが失敗すると序盤のピックが無駄になる。
「手を絞る」のは序盤のリスクを回避する安定思考。
「手を広げる」のは序盤に勝負に出るハイリスクハイリターン思考です。
この2つの方策を覚えたうえで次のケースをみてみましょう。
■初手で取った色の流れが明らかに悪い
先程とは逆のパターンですね。これも原因は概ね3択です。
・上流プレイヤーにその色が人気
・参入しているプレイヤーの数はそれなりだがパックからその色のカードがあまりでていない
・参入しているプレイヤーはいないがその色のカードがパックからほとんどでていない
ここで問題になるのはどこで手を引くかになります。そしてこのケースでは、初手の色で「手を絞る」ドラフトをしているとそれがとてもリスクの高い行動になってしまっています。
すでにその色のカードを多めにピックしている為捨てられず、結果ひどいデッキになってしまう可能性が高いです。
このようにいつでも「手を絞る」のが安定して「手を広げる」のが挑戦的だとは限らないのです。今回のケースを踏まえて「手を絞る」を見直してみましょう。
自分視点→色の統一を優先して強いカードを流す、これはその色への執着による失敗の損害を拡大させる
参加者視点→不人気色への参入によりデッキの完成度が上がる、しかし不人気色へうまく参入できなかった場合逆に損害になる
デッキ視点→短期的にはマイナスだが2色目を決めるのが容易、しかし2色目を見誤ると長期的にもマイナスになってしまう
こうして見ると「手を広げる」方が良さそうに思えてきますね。しかし「手を広げる」ドラフトにも他に欠点があります。参加者視点で比べてみましょう。
参加者視点(絞)→パック内で1番強いカードを敢えて流すことで下流のプレイヤーにその色をやっていないと主張できる。ドラフトでは隣のプレイヤーと色が被ってしまうとカードが集まりづらくデッキが弱くなってしまうので棲み分けは大切。
参加者視点(広)→強い順にカードを取っていくため下流のプレイヤーに自分が何色をやっているかを伝えづらい。また下流のプレイヤーが何色をやっているかも判断しづらい。
このように、色の主張、把握には「手を絞る」ドラフトの方が長けているのです。
ドラフトでは色が被るのは良くないと何度かいってきました。また「手を広げる」ドラフトは下流のプレイヤーが何色をやっているか判断しづらいといいましたが、そもそもどうやって下流がやっている色を判断するのでしょうか。
それは、パックが1週して自分のところに戻ってきた時です。この時にどのカードが取られているかを確認することができます。ここから各参加者が何色を集めているかを推理していくのです。
今回はドラフトの序盤について解説しました。次回はドラフトの後半に話を進めていきます。
まずはカードの選択基準です。前回枚数比やマナカーブを解説しました。次は実際どういったカードからとっていけばいいのかを教授します。
基本的な選択基準は ボム>除去>クリーチャー>その他 です。
ボムというのは機能すれば大抵ゲームに勝てるカード=マストカウンター、言い方を変えれば切り札です。
カードの優先順位を決める基準は、代わりになれるか、です。
ボムは決められれば試合に勝てるカードであり、他のカードでは代えがきかないので最優先。
クリーチャーよりも除去を優先するのは除去がクリーチャーの代わりになれるのに対して逆は難しいからです。
例えば2/2のクリーチャーがいるとして、それには2マナ2/2クリーチャー、2マナ3点火力の《稲妻の一撃》のどちらでも対応できます。
しかしその2/2が飛行を持っていた場合こちらの2マナ2/2では対処できません。しかし《稲妻の一撃》なら対処できます。これが代わりになれるということです。
次にドラフトでは何色のデッキを目指すべきか解説します。
ドラフトにおいては2色のデッキが理想とされています。この理由を今回と次回で説明していきます。
ドラフトでは3つの視点で考えることが必要になります。自分視点、参加者視点、デッキ視点の3つです。
自分視点というのは文字通り自分の視点、参加者視点というのは他の参加者がどう考えているか、あなたのことをどう思っているかという視点、デッキ視点はデッキが何を求めているかという視点です。
早速何故2色が理想なのかを3つの視点で考えてみましょう。
自分視点→最低2色はとらないとカードが足りず強いデッキが組みづらいから。
参加者視点→全てのプレイヤーが3色以上でドラフトを進めるとどうしても隣のプレイヤーと色が被ることになり、結果としてカードの供給が不安定になりデッキが弱くなってしまうから。
デッキ視点→色を増やしすぎると事故が増えるから。
それではこの3つの視点でドラフトを進めていきます。
まずは初手。ここで強力な神話レアを引いたりすると選択肢はそれ1択で解説は必要無いので、ここでは他の2つのケースをみていきます。
■強いカードが何もない
この場合なるべくマシなカードを取ることになります。そもそもドラフトというのは弱いカードプールでどれだけマシなデッキを作れるかのゲームです。
自分視点→一番強いカードをとればいい。
参加者視点→考えても意味が無いので一番強いカードをとればいい。
デッキ視点→まだ何も決まっていないから一番強いカードをとればいい。
このように初手のピックは全ての視点で一番強いカードをとることが正解となっているのがわかります。
■強いカードが3枚あり、1番目と2番目に強いカードが同じ色
自分視点→一番強いカードをとればいい。
参加者視点→一番強いカードをとってしまうと次にこのパックからピックするプレイヤーが同じ色をとってしまい色が被る。そうすると流れが逆になる2巡目に安定したカード供給が見込めない。よって敢えて3番目に強いカードを取るのが正しいように思える。しかし実際同じ色の2枚を流すとして、この理論でいくとその2枚を誰もとれなくなってしまう。しかし現実でそんなことはあり得ない。また先程説明したようにドラフトでは2色以上でデッキを組む人がほとんどなので、隣のプレイヤーと全く色が被らないというのも珍しく、1、3周目に先に自分がピックできる下被りはむしろマシな部類であるといえる。よって、一番強いカードをとればいい。
デッキ視点→まだ何も決まっていないから一番強いカードをとればいい。
こういった複雑なケースでも結局は一番強いカードを取るのが正解になります。
ようは初手はとにかく一番強いカードをとればいいのです。
続いて2手目以降に移っていきます。
2手目以降自分のデッキを何色にするかを決めていくことになります。
自分のやりたい色を好き勝手やった場合色が被ってしまうと残念なデッキになってしまいます。デッキの色を決めるには、各色のカードの流れを注意深く観察することが必要です。
■上流から特定の色が明らかに多く流れてくる
理由として考えられるのは以下の3つ
・上流にその色に参入しているプレイヤーがいない
・参入しているプレイヤーはそれなりにいるがパックからその色のカードがたくさんでている
・参入しているプレイヤーはたくさんいるがそれ以上にその色のカードがたくさんパックからでている
これをどう判断するかには、その後のカードの流れを観察するしかありません。上流に不人気ならその後もその色は溢れますし、参入しているプレイヤーがいるならじきにその色は流れてこなくなります。
このうち上流に不人気であると判断した色を集中的にピックする方法があり、「手を絞る」といいます。
具体的には空いていると判断した色のカードを徹底して抑えます。この際他の色にもっと強いカードがあっても流します。これにより、序盤にある程度まとまった色のカードが手に入り、その後2色目以降を探す際目をつけた色が実は人気だったとしても序盤に集めたまとまった1色目があるのでその2色目を切り捨て容易に他の選択肢を探しにいくことができるようになります。
自分視点→色の統一を優先して強さ順には取らないので、短期的にはマイナス。
参加者視点→不人気色への参入により最終的にデッキの完成度が上がる。
デッキ視点→短期的にはマイナスだが2色目を安心して決めることができるので必要枚数を揃えやすい。
反対に、「手を広げる」やり方もあります。これは絞るのとは逆で序盤は色を無視してカードパワーが高い順にとっていきます。そして手元に多く集まった色=不人気な色をその後追っていくやり方です。
こちらはカードパワーの低いカードを取らなくていい分最終的に使わないカードを序盤にとらされているので、その手数は結局無駄になります。
自分視点→カードパワーの強い順に取り続けられる。
参加者視点→強い順に取ることで色的に最も良い位置に座る可能性を最大化できる。
デッキ視点→成功すれば強いデッキになるが失敗すると序盤のピックが無駄になる。
「手を絞る」のは序盤のリスクを回避する安定思考。
「手を広げる」のは序盤に勝負に出るハイリスクハイリターン思考です。
この2つの方策を覚えたうえで次のケースをみてみましょう。
■初手で取った色の流れが明らかに悪い
先程とは逆のパターンですね。これも原因は概ね3択です。
・上流プレイヤーにその色が人気
・参入しているプレイヤーの数はそれなりだがパックからその色のカードがあまりでていない
・参入しているプレイヤーはいないがその色のカードがパックからほとんどでていない
ここで問題になるのはどこで手を引くかになります。そしてこのケースでは、初手の色で「手を絞る」ドラフトをしているとそれがとてもリスクの高い行動になってしまっています。
すでにその色のカードを多めにピックしている為捨てられず、結果ひどいデッキになってしまう可能性が高いです。
このようにいつでも「手を絞る」のが安定して「手を広げる」のが挑戦的だとは限らないのです。今回のケースを踏まえて「手を絞る」を見直してみましょう。
自分視点→色の統一を優先して強いカードを流す、これはその色への執着による失敗の損害を拡大させる
参加者視点→不人気色への参入によりデッキの完成度が上がる、しかし不人気色へうまく参入できなかった場合逆に損害になる
デッキ視点→短期的にはマイナスだが2色目を決めるのが容易、しかし2色目を見誤ると長期的にもマイナスになってしまう
こうして見ると「手を広げる」方が良さそうに思えてきますね。しかし「手を広げる」ドラフトにも他に欠点があります。参加者視点で比べてみましょう。
参加者視点(絞)→パック内で1番強いカードを敢えて流すことで下流のプレイヤーにその色をやっていないと主張できる。ドラフトでは隣のプレイヤーと色が被ってしまうとカードが集まりづらくデッキが弱くなってしまうので棲み分けは大切。
参加者視点(広)→強い順にカードを取っていくため下流のプレイヤーに自分が何色をやっているかを伝えづらい。また下流のプレイヤーが何色をやっているかも判断しづらい。
このように、色の主張、把握には「手を絞る」ドラフトの方が長けているのです。
ドラフトでは色が被るのは良くないと何度かいってきました。また「手を広げる」ドラフトは下流のプレイヤーが何色をやっているか判断しづらいといいましたが、そもそもどうやって下流がやっている色を判断するのでしょうか。
それは、パックが1週して自分のところに戻ってきた時です。この時にどのカードが取られているかを確認することができます。ここから各参加者が何色を集めているかを推理していくのです。
今回はドラフトの序盤について解説しました。次回はドラフトの後半に話を進めていきます。
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