今回から数回にわたってMTGのドラフトにおいての考え方を紹介していきます。とはいえまだ自分自身ドラフトの経験が少なく、他プレイヤーのドラフト解説の要約のようになっています。ご容赦ください。
主に地元でドラフトをする友人向けのものとなります。




今回はドラフトを始める前の段階で考えるべきこと、覚えておいた方がいいことを紹介します。



まずどういったデッキを組むべきなのかを予め考えておく必要があります。
始まってから闇雲にカードを選択しても出来上がるのは勝ちの見込めない紙束ですので、事前に作りたいデッキの完成図をいくつかイメージしておく必要があります。


ドラフトのデッキは40枚中、土地17枚枚、クリーチャー16枚、他7枚が基本の割合です。
それぞれの比率について説明していきます。
・デッキ40枚
デッキを最低枚数の40にするのは限られたカード枚数の中で少しでもデッキを安定させるためです。枚数が少ない方が引きたいカードを引ける確率が上がります。
・土地17枚
ドラフトでは安定して低マナ域のカードを確保するのは難しく、必然的に高マナ域のカードでクリーチャーの枚数をまかなう必要がでてきます。
高マナのカードを唱えるためには土地を毎ターン置けることが重要で、具体的には初手に3枚土地があると良いといわれています。
40枚中土地が17枚なら初手7枚中に2.975枚、18枚なら3.15枚土地が存在する確率です。一般的に土地を引きすぎる場合との兼ね合いから17枚が適正とされています。
・クリーチャー17枚、他呪文8枚
クリーチャーの方が多いのは単純にそちらの方が選択肢が強くデザインされているからです。よってクリーチャーの攻撃以外での勝利は難しく、どうしてもクリーチャー主体のデッキを組むのが基本になります。
クリーチャーが主体で、少量の呪文でバックアップするというのが基本的なデッキの動きとなります。


デッキの比率について説明しました。しかしまだこれだけでは足りません、この枚数比を完璧に守ったとしても、クリーチャーが全て5マナ以上では勝つのは難しいと思います。
次にマナカーブというものについて説明していきます。
ドラフトで使われるカードはほとんどが構築戦では使われないようなコモンであり、デッキパワーも低いです。マナカーブ理論はこの弱いカードプールでどうデッキを組むかという課題に対して、最大限に効率よくカードを展開する、という解答をした考えです。弱いカード同士を使って戦うなら効率よくカードを唱えられた方が有利になるということですね。
例えばあなたは毎ターン土地を置け、その土地の枚数分のコストのクリーチャーを出せると仮定したうえで、相手のデッキのクリーチャーが全て2マナだとするとします。
まずはお互い2ターン目に2マナのクリーチャーを出し合います。3ターン目にあなたがより高スペックな3マナクリーチャーを出すのに対して相手は2マナのクリーチャーしか出せません。続くターンからこちらの盤面は4マナ、5マナとどんどん強くなっていって...
逆に相手のクリーチャーが全て5マナだとします。
こちらが2.3.4ターン目にクリーチャーを出している間相手は何もできません。ようやく5ターン目が訪れてもそこではお互いに5マナ同士と大幅に遅れをとったうえ、そこから巻き返せるかも怪しいです。
どちらもかなり極端な例ですが効率よくカードを唱えることが重要なのはわかってもらえたかと思います。
実際にマナカーブ理論に沿った適正枚数は、16枚中2マナ×4、3マナ×5、4マナ×4、5マナ×2、6マナ×1です。
これは土地が17枚だとしていかに各ターンに見合ったカードを唱えられるか、それが無理ならカードを1ターンに2枚唱えることでマナを無駄なく使うかを計算したものです。
これが基本ですが、毎度この比率でデッキが組めるということはなく、目指す必要があるわけでもありません。次は派生系をいくつか紹介します。

①アグロ型
これは基本のマナカーブよりも軽めに寄せることで手数を増やすことで有利をつけようとする構築です。
基本的にこの構築では2マナ圏のモンスターを多めに採用しそれに合わせてマナカーブを軽めにずらします。
2マナ圏を増やすのは、2マナ圏と3マナ圏のカードの強さがかなり曖昧だからです。
2マナ2/2、4マナ3/3、5マナ4/4が標準的なドラフトのクリーチャーサイズなのですが、3マナ圏も概ね2/2と2マナ圏との境界がかなり濁っています。
ここを突いたのがアグロ型というわけです。
アグロ型にはもう1つ利点があり、それが手数の多さです。
2マナのクリーチャーは4ターン目に2体出すことができます。
3マナ以上のクリーチャーで同じことをするには6ターン目以降になることからこのテンポアドバンテージは想像以上に大きいです。
もちろん利点があれば弱点もあります。
アグロ型の弱点はリソース切れが早いことです。いかにテンポが良くてもそれらを捌ききられてしまうと低マナ圏が中心のデッキでは相手が出してくる大型クリーチャーに歯がたちません。よって相手の唱えるカード全てに対応している暇はなく、むしろそれらを回避して素早くライフを削り切ることが求められます。
ここで重要なのは飛行等の回避能力持ちのカードです。構築段階でなるべくアドバンテージを失わずにライフを削り切れるようピックすることが重要です。

②コントロール型
これはアグロ型の逆で、マナカーブを重めに寄せた構築です。
基本のマナカーブよりも大型クリーチャーを多めに入れることで後半に有利がつくようになっています。
勿論大型クリーチャーだけでは序盤の相手の動きに対応できませんので、低マナ圏はいわゆる壁と呼ばれる防御用のクリーチャーが中心になります。
例えば同じ2マナで相手は2/2、自分は0/3のクリーチャーが場にいると、場を膠着させライフを守ることに成功しています。
ここでもう1つ重要なのは、一般的に2マナ2/2は2マナ0/3より強力で優先されるということです。相手の強いカードに弱いカードで対応できているという状況はそれだけで潜在的アドバンテージが発生するのです。
そしてこういった壁でターンを稼ぎ、時が来たら大型のクリーチャーで一気に盤面を有利なものに変えます。
ここでもこの大型クリーチャーは弱いとされているものでも問題無いのが重要です。
一般的にサイズは大きいがマナコストが高めのカードは評価が低めです。
つまりこのコントロール型のデッキは大半を弱いカード=確保しやすいカードで構築できるということです。
これもマナカーブを重くする利点です。

③コンボ型
ドラフトの基本はクリーチャーでの殴り合いですが、稀にその他の手段で勝利できるデッキを組める環境が存在します。
こういったデッキはいかにその勝利手段を達成できるかが重要で、クリーチャー戦での優越や手数の差は意識する必要がありません。
しかしマナカーブ理論すら無視しているかというとそうではありません。
コンボパーツを揃えるまでの壁が必要だったり、勝ち手段がコンボだけのデッキというのもなかなか組めません。
ある程度はコンボに関係無いカードや、コンボが決められなくてもいいように通常の勝利を狙いにいくクリーチャーが必要なことがほとんどで、基本的にコンボ要素はサブプランとして搭載されることになります。
コンボ型の弱点は上手くコンボをデッキに揃えられればいいがそれに失敗した時かなりのピックが無駄になることです。どうしてもコンボ用のパーツ=普通はいらないカードを優先することになるので。




今回はここまでです。
次回はドラフト前半で考えることを紹介します。

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